昨日お世話になった北陸本線を敦賀まで引き返す。そこからは乗換駅、米原を目指すべく琵琶湖の東岸を行く。米原から東海道本線に乗り換え京都。さらに奈良線で目指す奈良駅へ正午ごろ到着。長時間の乗車・・・。よく飽きずに乗れますねえ。と言われることも有りますが、実は私、乗り物が何であれ、長時間乗車が全く苦痛ではありません。飛行機、列車、バス、自動車・・・。若い頃、中国大陸の辺境地域を旅して回った際、鍛えられた?のかもしれません。何しろ、その当時は数日間の移動は当たり前でしたから。しかもその車両ときたら・・・。日本国内の移動手段など、どれを選択しても天国みたいなものです。
さすがに空腹だけは、ごまかせず、駅前の食堂で牛丼をかきこみ、腹ごしらえ。それから駅の脇、ガード下にあったレンタサイクル屋で相棒となるママチャリを借り出し観光スタート。当日も灼熱の太陽。水分補給に気をつけながら先ずは奈良での目的地、唐招提寺を目指す。観光センターでもらった地図を見ながら、三条通を西へ。約20分で到着。
なぜ唐招提寺かと言いますと・・・。
やはり金沢同様、動機は井上靖氏の名作、天平の甍。
はるか天平の昔、幾たびの遭難に会いながら、日本に仏教を広めるべく来日した鑑真和尚のために建てられたお寺。鑑真の、そしてその他、作中の登場人物に思いを巡らせながら境内を散策。
最も奥まったところに和上の墓所があり、参拝。墓前に整えられた樹木、そして地面を覆う、苔の美しさにも感動しました。
そこから方向を戻し、奈良公園、東大寺へ。こちらは共に小学校の修学旅行以来30年ぶりに訪ねる場所。公園や寺院の風景の中に、少年だった自分を浮かべ、しばし感慨にふける・・・。30年。あの頃の自分と今の自分。何も変わることなく生きてきたように感じます。変わったのは寧ろ、自身を取り巻く環境だけなのかもしれません。悠久の歴史の中では、人一人が生きる時間など、一瞬の出来事なのですから、当然といえば、当然なのでしょうけども。