世界三大宗教の一つに数えられながら日本ではマイナーな存在であるイスラム教。この宗教を崇める教徒にとって今は特別な期間。ラマザーン、すなわち断食の月です。
イスラム歴に則り約一月の間、日の出から日没までの時間、食事を摂ることが出来ません(夜間はOK)。食べ物への感謝、宗教的な意味合いなども含め、世界各国のムスリム(イスラム教徒)が教義を守り、この期間を過ごしています。
私も昔、中国西部の新疆ウイグル自治区を旅した時、この時期にぶつかりました。
当時、無知であった私はラマザーン月、その存在の意義も知らず、現地の方から聞いて驚いたものです。タクラマカン砂漠を乗合バスで移動中。灼熱の日中でも食事はおろか水分を摂らず過ごす人たち。私は異教徒なので問題ないのですが、堂々と食事をしたり水を飲んだりするのが憚られる雰囲気さえ感じました。
そして、自治区の西部、カシュガルの町で迎えたラマザーン明け。モスクの前に沢山の男性が集まり輪になって踊っていた光景を今も鮮やかに思い出します。
飽食の時代、感謝の心を忘れてしまいがちな現代の生活・・・。イスラム教云々ではなく、先進国に生きる現代人こそ、ラマザーンを経験してみる価値がありそうに思えます。