三兵酒店、、、。帰って後ネットでチェックしてみると、実はコアなファンも少なくない名店の様です。酒屋併設故の低価格。そして個性あるご主人のキャラ・・・。
私が暖簾をくぐると、一人で飲まれていた酔客が出て行かれ私のみとなった店内。寒さに凍えた身体を温めるべく、先ずは日本酒を一杯
「はい、250円。前金でお願いします。」
こちらの店は飲食全て前金でのお支払。駄菓子や缶詰、そして一品料理など、アテのバリエーションは意外と豊富です。その中から・・・
「う~んと・・・湯豆腐お願いします」。
「はい、200円ね」
終始無愛想なご主人、沈黙の続く店内。その空気を打破すべく私から話しかけると、ぼつぼつと答えてくれる。岡山から来たと伝えると・・・
「岡山って言えば・・・岡山東商業高校・・・ってのがあったよね?」
古くからの高校野球ファンのご主人。意外な場所で子ども達が通う学校の名前が出て私もビックリしました。
2杯目は・・・
「焼酎、麦の湯割り・・・」
「はい、150円ね」
150円?立ち飲みとは言え池袋駅からほど近いこのロケーションで150円?信じられないかもしれませんが、これホントです。
ついでに80円の「かっぱえびせん」もオーダー?し会話が続く。ご主人曰く・・・
「長年商売やってると、入ってきた瞬間に、そのお客さんと合う、合わないがわかるんだよね。合わない客のおかわりは断ることもあるよ・・・・」。
私は合わないっすか?との問いに、
「いや、お客さんが良い人だってのは、入ってきてすぐ分かったよ」
そう言ってもらえてひと安心(笑)二杯目を飲ませていただいたこと、光栄と思うべきでしょうな。
長時間、一人で乗り物に乗っていると、会話という行為がほぼなくなります。ローカル線などに乗ると、時として地元の爺さんや婆さんと話すこともありますが、東海道本線という、在来線の中では日本の背骨に例えられる路線では、人は皆、見えないバリヤの中で時間をやり過ごしています。飲食店に入っても、マニュアルに則った「テキパキ」とした従業員に「セリフ」を投げつけられるのみ。
そんな人恋しさを感じていた旅の夜。大都会の片隅で、暫しの会話に心和まされましたひと時でした。