昨夜は「月光の東」をバイク屋に置き忘れ・・・。その代わりって言うとナンですけど、こんな本を読んでみました(やはり再読)。以前、読後の感想を知人に話していると「ナオコーラ?意外だねぇ」と言われたりもしましたが、彼女の作風、嫌いではありません・・・てか、結構好きです。
しかし、作者とは性が異なる故なのか、年代が異なる故なのか、ただ生きてきた環境、思考回路の次元が異なる故なのか・・・。時々、感情の描写に驚かされることがあります。それが又、新鮮だったりします。しかし、同性の方とは受け取り方が違うんでしょうね。
読み進めやすい短編集なので、スカッと一気読み出来ます。
印象に残ったのは・・・P144。42歳、独身でありながらバツイチで1児の母である幼馴染に想いを寄せ続ける「惣治郎」が自身の心中を語っている数行。
以下引用
「・・・・・人を好きになるとはどういうことか、人を思い遣るとはどういうことかが、やっとわかってきたように思う。勝手に好きになったのに、好意を返されない場合でも同じ立場に立って向き合ってもらって当然だろう、という驕りが若い頃にはあった。しかし今は違う。相手を好きだと思うことは、自分を低くすることなのだ。相手に優しくする権利が自分にあるということだけで、嬉しいことなのだ。大人になるには、二十歳の頃に考えていたよりも、時間がかかった。・・・・・・・・・・・・・」
その他の短編も、マレーシアや中国、そして日本国内を舞台に人と人の繋がりが描かれています。ご興味ありましたら、どうぞご一読くださいな。