今季の芥川賞は二人の受賞となりました。その中の一人がお笑い芸人の又吉さんであることが話題を呼んでいます。
私は平素殆どテレビを見ない生活スタイルなので、氏の芸風、キャラについては殆ど存じ上げません。然し考えてみればお笑い界で成功された芸人ならば我々が想像する以上に「言葉」と戦う日常を送っている筈。
一言一句、言葉の肉付け、そぎ落とし・・・。観客を笑わせる為の創作、生み出すことに苦しみもがく日常。そんな「芸人」が芥川賞を受賞したとて、特に違和感を訴えることはないのでは?と感じています。
むしろ賞賛すべきは氏が元は優秀なサッカー選手であり、高校時代は大阪でも強豪とされる高校のサッカー部で副主将をつとめ、インターハイにも出場したという経歴があるという点ではないかと思います。
中高生時代。感受性豊かなこの年頃に湧き上がる情熱をサッカーに注ぎ込む日々を過ごされたのではと想像します。その過酷な環境と競争を生き抜いていた時期でさえ何かを求めるように「読書」という作業を続けた氏は或る意味「奇人」と呼べるのではないでしょうか。
今、折しも甲子園球場では高校野球の全国大会が行われています。このステージまで駒を進めてきたチーム、そしてその部員一人ひとりが費やした汗と涙は称賛されるべきだと思います。しかしその舞台の華やかさ故、子ども達が学校宣伝のツールとなり、そして高校で硬式野球部に所属しているということを特別視しすぎる風潮に、むしろ違和感を覚えます。
高校野球100年とのこと。今年の出場選手の技量、そして個性も十人十色でしょう。しかし、彼らの本分(学力)や、読書を含め知的関心レベルも是非知りたいものです。
ちなみに私は・・・元競泳選手。競技では全国に手が届かなかったし、勉強も殆どしなかったし・・・。エラそうなことは言えないんですけどね。