반달(半月)・・・。韓国で最も有名な童謡のひとつ。先日ご紹介した谷村新司氏とチョーヨンピル氏の対談の席で、ヨンピル氏もご自身アカペラで歌われていました。ご興味のある方はググっていただければ各種動画、音源も豊富です。
私は日本人ですが、この歌を聞くと遠い昔の記憶が蘇ります。
学生時代の最後、卒業旅行にと訪れた韓国。当時愛用していた自転車に乗って約一か月の旅。
下関からプサンへ、そこからミリャン、テグ・・・。幹線道路から離れ小さな村々も通りながらの自由気ままな旅。太陽が西に傾き始めるとその日の宿を決める。どんな小さな町や村にも宿泊施設があるのも韓国の良いところ。値段など交渉してチェックインした後、二度と訪れることはないであろう小さな町を、ぶらつき迎える夕暮れ。
適当に食事を済ませ、翌日の朝食を仕入れ宿に戻るともう用事はなし。女性を紹介しようか?などと声をかけられることもありましたが、丁重にお断り(笑)。そうなると旅の無聊を慰めてくれるのは・・・テレビくらいなもの。大人向けの番組よりも、子ども向け番組をよく見たように思います。そんな日々、何度か聴いたのがこの曲でした。
当時も毎回ウサギが登場するアニメとともに流れていた曲「半月」。
その旅に備え韓国語を独学したものの当時のレベルでは歌詞の意味は殆ど分かりませんでしたが、何とも美しく哀愁を感じるメロディーだろうとオンドルの利いた床の上で聞き惚れたものです。
そして今、歌詞が理解できると・・・童謡とは言え民族の深い想いが詰まった曲の様にさえ感じます。旅の思い出は様々ですが、この曲は当時の韓国の人々が心の奥に届けてくれたお土産の様にさえ感じます。
今日、長男が卒業旅行と称し仲間と出かけた沖縄旅行から帰ってくる予定。5日間の旅で何を見たのか?何を感じたのか?そして将来何を思い出すのか?
歳月を経てみると意外なシーンが深い思い出に昇華したりするもので・・・旅と言うのは不思議なものですね。