通勤途中で見かけるコスモスの花。
二十歳そこそこの時分だったと思います。
運転免許を取得し、親に借りた軽四輪で母方の祖父母の墓参に出向いたことがあります。
独居の祖父が存命だった子ども時代は、妹と一緒に母の運転する車でその県北の寒村へ出かけたものです。
祖父が他界し、時も流れ・・・。自分がハンドルを握る様になり、ドライブがてら一人でその道を辿ってみると、あれ?この辺りで曲がるんじゃなかったっけ?と不安になること度々でした。
半信半疑、進んで行くと、道の右脇に続くコスモスの花が見えてきた。この家屋、この畑、そしてコスモス。母の運転する車の後部座席から見た、見覚えのある風景。
その景色に、ここだ!と確信。どうにか、その集落に到着。無事墓参りを済ませることが出来ました。
花鳥風月に対して人並み以下の関心しか持ち合わせない私ですが。コスモスの花は毎年、あの時の心細かったドライブを思い出させてくれます。
その母も他界し早や一年が過ぎました。季節の移ろいの早い県北は、その花の盛りも過ぎているもかもしれません。
今朝はコスモスで一句・・・。
「コスモスが 出迎え人の 墓もうで」