昨日は台風の影響で自宅に軟禁状態・・・。
読みかけの本を読破した後、久しぶりに中国語のテキストを開いてみました・・・。
おかやまマラソンのボランティアでも役に立つことがあるやもしれません故。
持論として・・・語学学習も、多数の教材を渡り歩かない方が高効率だと思います。私にとっての唯一無二とも言える相棒は、30年前の留学時に教材として配布された「汉语会话」のテキスト。
当時の中国を象徴するような粗末な紙質、所々歪んだ植字などもあり本としての出来栄えは「下の下」ですが、その中身は非常に濃厚です。新出単語のリストアップ、各表現の文法的解説なども素晴らしく、生活に密着したシーン設定と会話を通して学べる中国の歴史や習慣も沢山盛り込まれています。当時、北京師範大学の出版したこの本を教材として選び出したW老師の眼力は、中々大したものです。
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そして今。その本文を読み返すと、文中にも当時を象徴するような内容が記されており、大変懐かしく、そして改革開放以来の中国が、いかに大きく変化したのかが感じられます。 例えば、北京の市内バスに乗るシーン・・・。
留学生ワーライリーさん。バスに乗り込んだ後、車内で車掌さんに行く先を伝え、それに応じた金額を払うのですが、その折「6駅以内は5分、それ以上終点までは1角5分・・・」であると親切な車掌から説明を受けています(親切な車掌はいませんでしたけど)。
因みに当時のレートで5分は約2円
留学生のリダさんが先生の宿舎を訪問し家賃はいくらか?と問うシーンでは・・・。
「部屋は3つあり、電気代、ガス代含めても月15元とかからない・・・」
15元は約600円
確かに。当時お世話になった若手教師の給料は約100元でした。
人を呼ぶ際の呼称についても・・・。
「知らない人ならお互い、同志!と声をかけるのが良い。女性を、太太,女士,小姐などと呼ぶのは解放以前の習わしであり、今も台湾や香港では使われるようだが・・・」
‥等々。あげればキリがないのですが、結構「時代考証」的な資料と言えるかもしれません。現在、北京の街中で「同志!」などと声をかけたら・・・どうなんでしょう。
書店に出向けばもっとキレイで充実した教科書も容易に入手できるでしょうが、今更ねぇ・・・。これで充分ですわ。
そう言えば中国の旅とも随分ご無沙汰しています。行ってみたくもありますが、かつて旅へと誘った疼く程の心の衝動もなし。あまりに大きく変わりすぎて、私がエトランゼのエゴとも言える「ノスタルジー」などに浸る隙間を与えてくれないのが想像できますからね。
テキストの文面と共に記憶の中で旅を楽しみながらの一応・・・「学习」XueXiです。