大勢の皆様から励ましのお言葉、お見舞いをいただき心より感謝しております。
昨夜は久しぶりに熟睡できた故か傷みも軽くなりました。
こうやって日一日と治癒に向かうものと信じています。
しかし思うのですが・・・。
火傷は古来より最も「身近」な怪我のひとつです。人類はその処置法に工夫を重ねてきました。民間療法も含め様々な手法が紹介されています。然し叶うならば、即時の冷却、そして医療機関の受診に勝るものはありません。
火傷に限らず私たちは病気や怪我を負った際、当たり前の様に病院へ出向きます。考えてみれば、これ実は時代や国、地域が異なれば全く事情が違ってきます。
保険制度や医療設備が整っていなかった過去に於いては、怪我や病気の「行先」を半ば運任せだった筈。そして勿論、その人の持つ自然治癒力。
現代でも世界中の人々が適した医療行為の恩恵に浴しているとは言えません。ご存じの通り米国でも享受できる医療レベルはカネ次第。私の様な貧乏人が火傷程度で大学病院を受診するなど考えられないことです。
社会主義国を謳っている中国でも然り。私も滞在中は体調を崩し何度かお世話になりましたが、格安な料金で受診できる医院のレベル(衛生面も含め)は決して高いとは言えない状態。勿論、経済的な発展を遂げた現在と比較できないでしょうが、その格差が更に広がっただけ・・・というのが医療と言う一面でも現実なのではと想像します。
金持ちも貧乏人も、概ね同じ医療機関で、概ね同じレベルの医療行為を受けられることこそ、世界に誇れる「COOL JAPAN」ではなかろうかと。
写真は・・・夏目漱石「草枕」。病院での待ち時間、自宅での休養時間を利用して読み返しました。
文化や芸術が西洋偏重に傾いてゆくことへのレジスタンス。山奥の湯治旅館で流れる詩的な時間・・・。随所に中国古典や漢詩、俳諧の知識を織り交ぜた表現、形容を用いながら綴られる物語です。
ネットが普及して情報が溢れ、奥地まで道路が整備され交通網が整ってしまった現代では味わえない「旅情」にも心躍らせながらページを捲りました。