丘から下って市道に出る手前のお宅・・・。庭先に菜の花が咲いています。
黄色い花を目にすると春はもうすぐそこまで・・・という心地になります。
菜の花で故司馬遼太郎氏を連想される方も多いかと思います。
私もその1人。高校時代、世界史の教師が授業で教科書代わりにも使った「項羽と劉邦」が初めての作品でした。
中国という国の広さ、人間の持ちえる器量や度量、そして欲深さ、狡猾さ・・・。
上中下三巻の文庫本を買い込み読みふけりました。
その後も歴史物や時代物を読み漁り、淡路島出身の廻船業者、高田屋嘉兵衛を主人公に書かれた「菜の花の沖」にたどり着いたのは・・・おそらく20代の半ばだったでしょうか。
近年、氏の著作を読み返すことが少なくなりました。他に読みたいものがあるから、そして氏が歴史やその中で踊る如くに活躍する人物像、そのエネルギーに追従できなくなっている自分に気づいているからでもあります。
然し、氏に対しては現在も最大級のリスペクトと感謝を持ち続けています。
読書の視野を広げてくれたこと。書物を通して歴史の1ページにも遊べる喜びを教えてくれたこと・・・。
毎年2月12日、氏の命日はファンの間で「菜の花忌」と呼ばれます。東大阪にある氏の記念館では来場者に菜の花が配られるそうです。
おそらく今年も大勢のファンが集われることでしょう。
「菜の花や淡路の海もやわらかく」byかずさん