日々新聞を読んでいても、読む「濃さ」や、目を留める時間の長短はページごとに異なります。
その中、朝日の2面に「人」を紹介するコーナーがあり毎日楽しみに読んでいます。
今朝紹介されたのは・・・今春、広島に開校する日本初となる全寮制小学校の理事長さん52歳。同じ時代に生まれ育ち現代を生きる女性です。
しかしそのキャリヤや家庭的背景は大きく異なります。詳しくは省きますが要は・・・名門家庭のお嬢様でいらっしゃいます。
その彼女が素晴らしい環境と養育理念の下で運営される学校は、当然独創的なカリキュラムで授業が行われ、その授業の8割は英語を使用するものとなるらしい。
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しかし・・・どうなんですかねぇ。以下私の意見。
以前より義務教育は国民すべてが均等な条件で受けるべきと考えています。経済的な特権やハンディに左右されない。同じ条件で人生のスタートラインに立ち、その中で優劣を競わせるべきだと思うのですがいかがでしょうか。
新聞紙面等、で名門と言われる小中学校の入試問題を目にします。フツーの家庭でフツーの公教育を受けただけでは、いくら優秀な頭脳を以てしても解けるものとは思えません。既に子ども達はその段階から家庭の経済面を条件とする篩にかけられるのです。
使用する言語に付いても、母国語である日本語をあまりにも軽視しているの感じます。
母国語の力なくして深い思考力を体得することは出来ません。小中学校はその最も重要な時期です。人としての人生を豊かにする為には母国語の語彙を深め、優れた文学に接し、その中に遊ぶことで喜怒哀楽や心の機微を学ぶべきなのです。
少なくとも日本にも生活の拠点を置きたいのならば英語だけで生きてゆくのは不可能です。勿論、英語しか話せない外国人も多くこの国に居住されていますが、実際に日本のコミュニティーに参加し、その中で違和感のない存在とは成り得ません。いつまでたっても・・・異邦人でありストレンジャーであり、エトランゼなのです。
因みに学費は年間600万円以上必要だそうです。単純計算でも一か月だけで国公立大学1年分の授業料に近い学費となります。その大学1年分にさえビビりながら進学させる我々からすれば全くの「別世界」です。
勿論、「別世界」は存在すればよく世の中全てが平等である筈などないという程度のことは私の愚能でも理解しているつもりです。しかしせめて義務教育だけは平等であって欲しい。
そしてその生徒募集は日本だけにとどまらず中国やアジアの富裕層もターゲットにされているとのこと。しかし彼らがご子息ご令嬢の教育環境を日本に求めるのかも疑問です。言語だけなら欧米の方が絶対に有利だし、学歴としての「ハク」も付く。そしてその後、世界で名門と言われる大学へのアプローチもし易いでしょう。日本?その昔は魅力も有ったのかもしれませんが正直、既に世界から取り残されたガラパゴス国家であることは否定できません。残念ながら・・・。
全ての子ども達が同じ可能性の下で学び、競い、そしてそれぞれの適性を見つけられる国であってくれたらと願っています。