ネットのニュースには、なるべく目を向けないことにしています。別に一刻も早く社会情勢を把握しなければならない立場でもないし、職場のラジオ、何日か遅れて読む新聞・・・その程度の速度で充分だと感じています。しかし今朝、目に触れたニュース記事は些かの「ご縁」もあった故、ガラケーの画面で熟読させていただきました。
スーパーホテル上野入谷口店・・・。6年前、巨人戦を観戦すべく次女と上京した折に投宿したホテルです。
そのホテルの元支配人が、雇用契約、労働の実情、実際に収入に対し訴訟を起こされたとのことです。
同ホテルは「Super dream project」と銘打ち、ホテルに住み込み、支配人として働く男女を募集しています。謳い文句は「4年間で3,000万円も夢じゃない!」みたいな。
しかし現実は個人事業主としての契約で、2人で回せない業務を補填する為に雇用する従業員の給料は自腹、休日取得の為、本部にスタッフ派遣を要請した場合には一日あたり30,000円の負担が必要、など。その他様々な経費も必要で実際の手取りは月額10万円程度だったとのこと。そして業務は1
...400頁ものマニュアルに則ってこなすことを強いられれば個人の裁量を挟む余地は無いものと想像できます。これを搾取と言わず何と呼ぶべきか?
同じ様な形態での「搾取」は様々な業界に蔓延しているのが実情です。例えばコンビニ、飲食チェーンなど。圧倒的資本力と頭脳、ノウハウを振りかざす企業サイドと個人。元からケンカを挑める相手ではないのです。それを良いことに一方通行の要求のみを突き付けられ、それが例え煮え湯でも飲むしかないのです。古今東西、それが庶民、民草というものだ!と言われればそれまでなのですが、高度に成熟、進歩したと信じたい現代社会に於いても未だその構造は姿を変えながら存在し、消えることはないのでしょう。悲しいことです。
私たちの業界に対しても、物申したいこともありますが、あまり露骨に伝えすぎると「名誉棄損」などとネジ込まれても困りますので敢えて深くは語りません。しかしメーカーと販売店と言う関係は、その資本力、抱える頭脳、ノウハウなど、どの面から比較してもプロレスラーと嬰児以上の差があります。故に一方通行の要求であっても受け入れるしかないのです。残念ながら。
現在、商店や町工場など様々な業界で後継者不足が問題になっています。私たちの業界も例外ではありません。それなりの商いを続けられているケースでも後継者がいないのでは、その継続に限界があります。
なぜ後継者がいないのか?答えはカンタン。息子なり娘の目に親の仕事が魅力的に映らないから。親の様になりたくないから・・・なのです。当家もその例に漏れず私の次は不在。子ども達の目には父親(私)の姿が輝いて見えなかったのでしょう。私の様にはなりたくなかったのでしょう。尤も、後継の意思を示されても「やめた方がエエで」と言いたいですけどね。
話は逸れましたが・・・。
労働に見合った対価の得られる社会。それが本来、先進国たる国家、国民の目指すところでしょう。近年、フェアトレードという言葉が市民権を得てきました。本来、富める国による貧しい国からの搾取労働を問題視する意味で語られ始めた考え方ですが、同じ国内でも、その視点は必要なのだと思います。
あなたの労働と賃金は見合ったものですか?
写真は・・・帰路に求めたガラスコップに入った日本酒(200cc)。100円以下で買えることを喜ぶべきではないのかも。