私たちの取引先でもある大手自動車メーカーが「サイバー攻撃」を受けたとのこと。世界中に生産、流通拠点を持っている大会社だけに狙われても不思議ではありません。世の中の人々全ての心が善意で固まっているわけはなく、他人の迷惑や不幸が嬉しくて仕方がないという異常な精神構造を持った方が一定割合で実在するのが悲しいかな現実です。
そして世界中の老若男女がインターネットという考えてみれば恐ろしく脆いインフラにぶら下がり生きているということも、それこそ「恐ろしい」ことと言えるでしょう。
子ども達は遠隔授業とやらでネットにぶらさがり、大人はリモートワークでネットにぶらさがり、、、。私たちにしても通常業務、例えばメーカーへの車両、部品の発注。サービスデーターのダウンロード、保険手続き、、、全てインターネット経由です。
先日、お客様のWさんとお話してると、氏の管理されているパスワードは100以上になるとのことでした。私でも公私合わせればその三分の一程度は使い分けているように思います。
そのシステムが正常に機能し、パソコンやサプライが異常なく稼働して初めて成立する利便性。例えば、、、ルーターが壊れた、OSが起動しない、ソフトが走らない、、、即、アウト!です。私の経験上、それらの製品は肝心な時に限って裏切り行為を仕掛けてくる性格を持ち合わせている様です。
デジタル機器と原発って、ある意味似てると思うのです。機能いsてくれたら便利至極ですが、トラブルが起きると膨大な労力の投下が強いられるという点。
これから以下のようなケースも懸念されるのですが。例えば、、、
大学や専門学校入学を機にパソコンを使い始めた。不慣れな中、格闘を重ね、どうにか遠隔授業に対応出来る様になった。しかしある日突然、パソコンが動かなくなってしまった、、、。さて、どうする!
最悪の場合、リカバリーをかけて初期状態にリセットする、或いは買い替える。パソコンの類は買い換えてもすぐに元どおり使えるわけではありません。超高性能なスマホに依存し高校時代を過ごした彼らの中で、どれくらいがパソコンのトラブルに対応出来るのでしょうか。少なくとも当家の次女なら、、、Give upでしょう。
たかが機械が壊れただけで授業に参加できない。体調が悪いわけではないし、やる気がないわけでもない。そして、このテの製品を製造販売するメーカーのサポートというのは、あり得ないほどに不親切。この点に関してはご立腹された経験をお持ちの方、少なくないのでは?
その点、アナログは良いですね。安定感が違います。
昨日の夕刻。店を離れた後、桜並木のベンチでひとときを過ごしました。まだ本が読めるよな、、、とリュックから文庫本を取り出し見えなくなるまで読書を楽しみました。
金子光晴、どくろ杯。人間の臭気で蒸せ返るような上海、中国江南地方を旅する姿が印象的です。もう人類が、あの様な濃厚な旅の中で過ごす日は来ないのだろうか?
関川夏央のソウル、沢木耕太郎の香港、林芙美子のパリ、開高健のサイゴン、、、。
人と人が触れ合うこと、ラビリンスのような雑踏の中に迷うことが許されず、ウィルスに怯え、清潔なチェーン店で食事をし、肩をぶつけ合いながら酒を飲むことの許されない旅しか出来ないならば、、、。本の中の都市に遊ぶ方が心の震えを感じます。さみしいことですけどね。