いよいよ終点の「三菱自工前駅」に到着しました。水島までの様な立派な駅舎ではなく、プラットホームに雨避け程度の屋根があるだけ。


勿論無人、券売機すらありません。終点駅の近くのコンビニで祝杯(ノンアル)を、、、と目論んんでいたものの商店の類は皆無。右を見ても左をみても工場ばかりです。仕方なくリュックから水筒を出しお茶を一口。折しもすぐに入線じてきた赤い気動車に乗り込みUターンです。

三菱自工、、、。運転免許を取得して以来、三菱の自動車を所有したことはなく、恐らくは借りて運転すらしたことすら記憶にありません。そんな私も多少のご縁と感謝を感じています。
その一つ。小学校5年生だったと思います。遠足で三菱自工の生産ラインを見学させてもらったことがありました。今で言う、、、社会科見学ですね。工場内に響く音と、半完成状態でラインを流れる車の姿を今も覚えています。昼食は構内の休憩室で持参した弁当を食べたのですが、帰り際、会社からのお土産として栓抜きをいただきました。下が鈴になってチリンチリンと音がする水色の栓抜き。実は今も所有しています。栓抜きという道具を使う
...シーンが無くなったので役に立っているとは言えないのですが、今もこの栓抜きを見るたびに楽しかった遠足の思い出が蘇ります。
そしてもうひとつのご縁。職業訓練校で履修した「熱力学」の授業を担任してくださったのが三菱自工から外部講師として通われていた先生でした。失礼ながら先生の名前も忘れてしまったし、教わった内容も熱が出そうな難解な数式に苦戦したことと、エントロピーやらエンタルピー、アボガドロ数などという暗号の様な単語が思い出されるだけで30年の時間ですっかり消去されてしまいました。すんません。
そんなことを思い出しながら車窓を眺めていると徒歩という手段で繋いだ駅や景色が早送りの様に流れてゆきます。
これはこれで結構楽しかったりします。恐らく逆の行程(行きが汽車、帰りが徒歩)では心境も異なるでしょうね。
さて、つぎはどこに行こうかな、、、。