今日は朝から由加山へ。三十三観音の続きを辿りました。
先週以来の順不同ですが途中に本来は起点とすべき一番札所にも参拝しました。
2-1-3-6-4-7-5-8というルートでまわり12時半にバイクを駐輪した場所に帰還。
ここ数週間に比べれば暑さも弱まってきたと感じました。
一番に向かう途中の小路で栗を拾いました。
持ち主のある木から落ちたものでしょうけど、まあお許しください(笑)。
今読んでいる宮本輝さんの小説にも、思わぬ成りゆきから奥飛騨の山荘を譲り受け移住した主人公が前のオーナーが手作りし、残した大量のマロングラッセが登場します。
私はそんな手の込んだ料理はできませんので、シンプルに茹でて秋を楽しみたいと思います。
ところで今日は郷内からのルートで往復しました。途中、「伊七」と大きな看板を掲げられた酒蔵があります。こちらは熊屋酒造さん。私の推測では江戸後期から明治初期の由加参りが全盛の頃、柳北も
「酒美に魚鮮なり」と評した酒は伊七だったと思うのです。
丸亀に向かう舟に乗らんと由加を下り田の口に下りた柳北は、、、
「此田の口の港は金比羅へ渡る繁華の地なるに人家みな粗悪にて魚も乏しく酒は馬溺色、、、、」
「兎やせん角やせんと困じ果て自ら成斎と共に酒舗にゆきて多くの酒を試むれど飲むに足るものなし」
と酷評。讃岐の旅からの帰路も田の口にて
「藤屋に立ち寄りしにあるじ強て止むれど酒食の悪しきに懲りはてたれば袖打払ひて逃げ出でぬ。」
又、一里の山道を嫌わず由加門前の西屋を再訪しています。
田の口の酒蔵といえば、、、十八盛、三冠などが江戸時代からの老舗で宿屋でも供された筈。他に由加門前の酒と食事を高く評した文人も多く、私も日々田の口から背中に担がれた酒が登って来ていたと思ってたのですが、どうやらそうでもなさそうです。主に木見、尾原を抜けて由加に運ばれたのでしょう。
一冊の本からテーマをひとつだけでも絞って掘り下げてみると小さな旅がより趣あるものになります。
酒もともかく、馴染んだ芸者さんたちに会いたかったのかも知れませんけどね。
とりあえず私は、、、十八盛、三冠、伊七の各酒を入手して飲みくらべてみよう。